房総半島から徒然ブログ

住みにくい世の中を出来れば笑って暮らしたい、寛容でおヒマなかたのみ歓迎の気まぐれブログです。

最後のコントロール ポイント

挑むことの原点

ゴールのアデレードまであと一日の地点までたどり着いた。
最後のコントロールポイントに到着したのは、日没までまだ時間のある夕刻だった。それでも、ここを宿泊地にすると決めたのは目標としていた完走をほぼ確実にしたご褒美で、幸いにもチーム全員分のモーテルの部屋がとれた。

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布団で寝るのは何日ぶりか、熱いシャワーも浴びられる。何より嬉しいは凍るほど冷えたビールとの久方ぶりの再会だった。五臓六腑に染み渡るとは何という名言か。
コントロールポイントではソーラーカーの軽整備も許されるので、最終日に向けて最後のチェックも出来た。

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ここでは他のチームの様子も耳に入ってくる。
先頭を行く東海大は既にゴールしたらしく2連覇が決定。オランダやアメリカの有力チームも今頃はアデレードか。
トップチームの装備とサポートは我々とは次元が違っていた。GPSで気象衛星と繋ぎコース上の天候を掌握してレースを組み立てる。時速100キロを超えるスピードで疾走する車を運転するのにプロのラリードライバーを招聘してもいる。
カーボンボディ、バッテリー、モーターからタイヤまで、大手メーカーの手厚い支援を受けてスタッフまで同行しているはずだ。我々から見れば、大人と子供の混合レースのようなものだった。

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それでも、このレースには人を惹きつけて止まない魅力があった。僕たちが挑んだのはテクノロジーと資金に囲まれたエリートチームではなく、すべてを公平に受け入れながら、優しくて厳しい3000キロの大地なのだとはっきりと感じていた。
ワールド・ソーラー・チャレンジというのはそういう、挑戦と融合の時間だったのだと。