房総半島から徒然ブログ

住みにくい世の中を出来れば笑って暮らしたい、寛容でおヒマなかたのみ歓迎の気まぐれブログです。

魅惑のインドシナ半島 Hanoi, Vietnam

800万都市ハノイ

ベトナムの北部に位置し、政治・文化の中心地であり首都である。
南部に位置する商業の中心地ホーチミン、旧称サイゴンに次ぐベトナム第2の都市でもある。
ベトナム戦争最中の1960年代から70年代にかけて「北爆」と呼ばれる米軍の苛烈な空爆に晒された。

11世紀にハノイに都が置かれて以来栄え続けたホアンキエム湖北側の地域は、細い路地が入り組み、旧市街と呼ばれて今も古い街並みが続く。
ハノイ36通り」と親しみを込めて呼ばれる通りには「銀通り」「綿通り」「漢方薬通り」など、かつてそこで盛んに商われた品物の名が付いている。

 

まずは、ホアンキエム湖のほとりに客待ちで並ぶシャトルEVに乗って、その旧市街の中を見て回った。
EVは細い路地まで人とバイクをかき分けて走り、屋台や商店の奥まで覗き込むことが出来るほど侵入する。
大雑把な地図を頭に入れて、今度はぶらぶらと歩いて回る。
インドシナ半島の町はどこかフランスの風情がある。
市場から野菜や果物の匂いが流れ出てくる、香辛料が交じり合って鼻をくすぐる。地面から伝わる土と水のにおい、ヒトとクルマの喧騒。
それらは、子供時代の日本にいるような居心地の良さで、どこの国でも僕を惹きつける。

見るもの聞くものが楽しくて、徘徊を続けて嗅ぎまわるうちに、ハラが、減った。
昼飯の店は決めていた。
混雑の時間を微妙にずらして、ブンチャ(Bun Cha)を食べに行く。
その店にはオバマ・元米大統領が来たことがあり、店内のあちこちに記念写真が飾ってある。

 

店員にオバマと同じものが食べたいと言うと、壁の大きなメニューを指さされた。
COMBO OBAMAなるセットメニューを注文する。ハノイビール付きの基本セットで85,000ドンは感動の約500円。

ブンチャというのは米粉で作った白い麺を、魚醤スープの入ったどんぶりに野菜や肉と一緒にドシドシ入れてつけ麺方式で食べるローカルフードだ。
相席のテーブルで地元の客に食べ方やお勧めのトッピングを聞いて、おかわりトッピング、替玉麺、ビールと次々に追加注文するが財布の痛みは全く軽微である。
スープが少し甘いのでパンチを効かそうと、あれこれ香辛料を加えるとマイ・ブンチャになった。

満腹で店を出て、向かい側のテラスで挽きたてのコーヒーを飲んだ。
プラスチックの椅子に座って、目前の通りの様子をボーっと眺める。
大量のバイクが右へ左へ忙しく流れ、行商のお母さん達が休んでは元気に天秤棒で歩き出してゆく。

 

長い戦争のあと、これだけの活気を取り戻すのに、どれたけの汗を流したのだろう。
今日は、どんな明日を望んでいるのだろう。
ホアンキエム湖のほうから暖かい風が流れてくる。
この街で暮らしてみたいと本気で思った。