房総半島から徒然ブログ

住みにくい世の中を出来れば笑って暮らしたい、寛容でおヒマなかたのみ歓迎の気まぐれブログです。

日は昇り、日は沈む

路上生活

荒野のキャンプが日常になった。
日の出とともに動き出し、日没前にねぐらを決めて漆黒の夜を満天の星の下でやり過ごす。ウォンバットとは入れ違い、カンガルーやワラビーとは同じ暮らしぶりだ。


地平線まで続くハイウェイは彼らにとって全く迷惑な障害物に違いない。ごくたまに道を跳ねて横断するファミリーは、危険な賭けであっても移動する必要があるのだろう。カンガルーガードと呼ばれる武骨なパイプを車のフロントに取り付けていても、高速で衝突すればお互いにただでは済まない惨事になる。軽量のソーラーカーなどはひとたまりもない。

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クルマの接近は事前に確認出来るが動物はそうはいかず、ほぼ突然に現れる。赤土のベルト地帯が緩衝帯のように両側にある時はやや安心で、路肩にブッシュが迫ると恐怖に近い緊張感を覚える。
思えばこの道には信号機も交差点も無かった。牛の群れを移動させるのに使う狭いアンダーパスが所々に作られている。それでも、牛のものと思われる大型の白骨セットには野営地で頻繁に出会ったから、交通事故以外にもこの大地で生きてゆくには厳しい試練があるのだろう。

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助手席で同行する大会ジャッジが陽気なオジさんの時は、ドライブの注意事項のほかにもオーストラリア人の暮らしについてあれこれと聞くことが出来た。大抵は人懐っこい哺乳動物という印象で実におおらか、人生は楽しむためにあるのだと誰もが言う。
なるほど、でっかい大陸に住むと人間のココロもでかくなるのか。

My Dear Judge Mr. Ginger

心優しいジンジャー My Dear Judge Mr. Ginger


テナントクリーク、アリススプリングス、クーパーペディ、グレンダンボ。点在する町に到達するまでは、飽きるほどでっかい地平の細い舗装ベルト上をひたすら走るのみだ。