房総半島から徒然ブログ

住みにくい世の中を出来れば笑って暮らしたい、寛容でおヒマなかたのみ歓迎の気まぐれブログです。

オーストラリア

クールダウン

復帰の備え レースを終えても重たい体に鞭打って、するべき事がたくさん残っていた。機材の整理・梱包、日本への再輸送手続きなどをアデレードの港で黙々と済ませてから、最後の滞在地ゴールドコーストへ国内航空便で移動する。そこで数日の休暇を過ごしてか…

ゴールの風景

敗者のないフィナーレ アデレードは歴史を感じさせるモダンで古い町だ。最後の市内走行は競争ではなく、順位も意味を失い、ほてった気持ちの余韻を楽しむ時間だった。 ゴールゲートをくぐり、最終検査を受けるために車両を所定の位置に並べると、6日間続け…

最後のコントロール ポイント

挑むことの原点 ゴールのアデレードまであと一日の地点までたどり着いた。最後のコントロールポイントに到着したのは、日没までまだ時間のある夕刻だった。それでも、ここを宿泊地にすると決めたのは目標としていた完走をほぼ確実にしたご褒美で、幸いにもチ…

日は昇り、日は沈む

路上生活 荒野のキャンプが日常になった。日の出とともに動き出し、日没前にねぐらを決めて漆黒の夜を満天の星の下でやり過ごす。ウォンバットとは入れ違い、カンガルーやワラビーとは同じ暮らしぶりだ。 地平線まで続くハイウェイは彼らにとって全く迷惑な…

プライド バトル

陸と空と 前方を行くカナダチームを見つけた。こちらの巡航スピードが明らかに勝っているので、追い越すと決めて助手席のジャッジに了解を得、チームの各車両にそれを告げて準備開始。 まず、無線をカナダチームの周波数に切り替えて追い越しを通知しOKを貰…

ロング トレイン ランニング

路上のモンスターたち 荒野の朝は早い。遮るものが何も無いので、薄いテントに射す日の光で嫌でも目が覚める。8時の出発準備を進める我々のそばを大小の車が高速で飛んで行く。南に急ぐまともな道は多分これしかないのだろう。スチュアートハイウェイには実…

スチュアートハイウェイ

荒野の物件探し ハンドル操作のいらない真っすぐな舗装路が緩やかに起伏しながら続いてゆく。360度の地平には砂漠とブッシュが広がるばかりで、いくら走っても周囲の景色が変わらない。直前を走るソーラーカーの時速は60から70キロというところだが、…

3000キロの旅へ

10月16日 ダーウィン市内に設けられたゲートから各国のレースカーが一定間隔でスタートして行く。ゼッケン90番・Team Okinawa 車両名「LEQUION」のスタートアナウンスをゲート脇で待っていた僕はチェイスカーをLEQUIONの後ろ3メーターにつけて追尾し…

オーストラリア 10月

プロローグ オーストラリアのソーラーカーレースに挑戦する。そのための国内準備がすでに挑戦の始まりだった。チェイスカーのハイエースと搬送用パネルトラックの準備、ソーラーカー本体と併せての輸出手配、免税申請、現地ナンバー取得など、煩雑な仕事が山…

ワールド・ソーラー・チャレンジ 2011

冒険の大陸 オーストラリアで2年に1度開かれる世界最大のソーラーカーレースに自作のクルマで挑戦する沖縄の工業高校生チームがあった。当時、沖縄でクルマ造りに関わっていた僕は、周囲を口説きサポートスタッフとして参加した。広大なオーストラリア大陸…