房総半島から徒然ブログ

住みにくい世の中を出来れば笑って暮らしたい、寛容でおヒマなかたのみ歓迎の気まぐれブログです。

クルマとの日々

北の国の記憶 Stay north, Hokkaido

コロナで閉ざされた歳月がようやく明ける気配がある。 そうは言っても仕事で国外に出るには、まだ時間がかかりそうだ。そうなると生来の旅好きの虫が蠢き出し、とりあえず北か南か、国内旅の計画を始めることにした。まずは、撮りためた大量の写真から過去の…

YS-11と四畳半

昭和の運び屋 大学時代を部活とアルバイトで過ごした。授業の記憶は殆ど無い。経験したアルバイトの数は両手両足の指でも足りない。所有していたクルマとバイクを維持するために高収入が絶対条件だったので、職種は土方、地下鉄工事、長距離トラック助手、沖…

ナイトラリーを開く

夜あそび 自分の大学でも、神奈川県や山梨県の山道や林道を使って自動車部ラリーを主催した。夕刻にキャンパスをスタートして翌早朝にゴールというナイトラリーで、コースの設定や下見、所轄警察への届け出から当日の審判仕事にセレモニーまで、結構な大イベ…

ナイトラリーという競技

夜に駆ける 大学時代を自動車部の部活とラリーとバイトで過ごした。JAFのラリーライセンスは持っていなかったので、もっぱら各大学の主催するナイトラリーに参加した。大学生主催の自動車レースを公道で実行するのを警察が許すなど、思い返せば信じられな…

北海道遠征隊 その2

狐と熊と自衛隊 1か月かけて車で北海道を回る。その語感に漂う優美さとは全く縁遠い遠征隊であった。ほぼ野宿の日々。オートキャンプ場などは無い時代だし、あったとしても入る予定もない。浜にせよ山にせよ、場所を決めたら周辺を当たってテント泊の許可を…

北海道遠征隊 その1

5000キロの貧乏ツアー アルバムを整理している。出てくる学生時代の写真は、クラブ活動とクルマに関わるものばかりだった。所属していた自動車部では毎年の夏休み期間を利用して、東日本か西日本に「遠征」と称する長期合宿に出る。僕が参加したのは東日…

クールダウン

復帰の備え レースを終えても重たい体に鞭打って、するべき事がたくさん残っていた。機材の整理・梱包、日本への再輸送手続きなどをアデレードの港で黙々と済ませてから、最後の滞在地ゴールドコーストへ国内航空便で移動する。そこで数日の休暇を過ごしてか…

ゴールの風景

敗者のないフィナーレ アデレードは歴史を感じさせるモダンで古い町だ。最後の市内走行は競争ではなく、順位も意味を失い、ほてった気持ちの余韻を楽しむ時間だった。 ゴールゲートをくぐり、最終検査を受けるために車両を所定の位置に並べると、6日間続け…

最後のコントロール ポイント

挑むことの原点 ゴールのアデレードまであと一日の地点までたどり着いた。最後のコントロールポイントに到着したのは、日没までまだ時間のある夕刻だった。それでも、ここを宿泊地にすると決めたのは目標としていた完走をほぼ確実にしたご褒美で、幸いにもチ…

日は昇り、日は沈む

路上生活 荒野のキャンプが日常になった。日の出とともに動き出し、日没前にねぐらを決めて漆黒の夜を満天の星の下でやり過ごす。ウォンバットとは入れ違い、カンガルーやワラビーとは同じ暮らしぶりだ。 地平線まで続くハイウェイは彼らにとって全く迷惑な…

プライド バトル

陸と空と 前方を行くカナダチームを見つけた。こちらの巡航スピードが明らかに勝っているので、追い越すと決めて助手席のジャッジに了解を得、チームの各車両にそれを告げて準備開始。 まず、無線をカナダチームの周波数に切り替えて追い越しを通知しOKを貰…

ロング トレイン ランニング

路上のモンスターたち 荒野の朝は早い。遮るものが何も無いので、薄いテントに射す日の光で嫌でも目が覚める。8時の出発準備を進める我々のそばを大小の車が高速で飛んで行く。南に急ぐまともな道は多分これしかないのだろう。スチュアートハイウェイには実…

スチュアートハイウェイ

荒野の物件探し ハンドル操作のいらない真っすぐな舗装路が緩やかに起伏しながら続いてゆく。360度の地平には砂漠とブッシュが広がるばかりで、いくら走っても周囲の景色が変わらない。直前を走るソーラーカーの時速は60から70キロというところだが、…

3000キロの旅へ

10月16日 ダーウィン市内に設けられたゲートから各国のレースカーが一定間隔でスタートして行く。ゼッケン90番・Team Okinawa 車両名「LEQUION」のスタートアナウンスをゲート脇で待っていた僕はチェイスカーをLEQUIONの後ろ3メーターにつけて追尾し…

オーストラリア 10月

プロローグ オーストラリアのソーラーカーレースに挑戦する。そのための国内準備がすでに挑戦の始まりだった。チェイスカーのハイエースと搬送用パネルトラックの準備、ソーラーカー本体と併せての輸出手配、免税申請、現地ナンバー取得など、煩雑な仕事が山…

ワールド・ソーラー・チャレンジ 2011

冒険の大陸 オーストラリアで2年に1度開かれる世界最大のソーラーカーレースに自作のクルマで挑戦する沖縄の工業高校生チームがあった。当時、沖縄でクルマ造りに関わっていた僕は、周囲を口説きサポートスタッフとして参加した。広大なオーストラリア大陸…

クルマのある風景 2

巡り巡って クルマに関わる記憶は2輪でも、4輪でも山のようにある。これまでの人生で乗り継いで来た車たちの事、ナイトラリー、大学時代の定番バイトだった陸送屋でのかなりブラックな体験、特殊用途車両製作とその輸出、そして中でも記憶に残るのはオース…

クルマのある風景 1

記憶の整理 このところの雨の日は、大量に残っている写真整理に没頭していた。写真ごとの古い記憶に度々手を止めるので作業は遅々として進まないが、整理しながら何を書こうか考える。 クルマと旅の写真が、やはり多い。クルマは昔から好きで、子供のころは…