房総半島から徒然ブログ

住みにくい世の中を出来れば笑って暮らしたい、寛容でおヒマなかたのみ歓迎の気まぐれブログです。

懐かしいアフリカ ケニア編 愛すべき人々①

しなやかに、したたかに

2013年に初めてケニアに降り立って以来、公私で様々な人に出会ってきた。
大半は都市の役人やビジネスパーソンたちだが、過疎の村で大地に生きる人、国立公園のガイド、観光業のマサイ族、スラム街の商店主たちのほうが性に合った。
敢えてビジネスパーソンと言った。当地は管理職に有能な女性が多く、実態はどうも男社会とは思えない。
ケニアサブサハラサハラ砂漠の南地域)の優等生と言われて、ODAなどの潤沢な国際支援を得て発展してきた。支援馴れ、貰い馴れした国ということでもある。賄賂や汚職も半端ではなく、大統領選挙のたびに流血騒ぎが起きる物騒な一面もある。政府機関に腐敗が無く、国際支援が正しく末端に届いていれば、当の昔に貧困から脱していたはずだとも言われる。

大スラム街キベラのファーストフード店

大スラム街キベラのファーストフード店

日本から来た者にとってアンダーテーブルとケニア時間は常に煩わしい問題だった。
仕事でケニア保健省を訪ねた時、入り口付近に看板が掲げられていて、
"CORRUPTION FREE" (腐敗脱却)
と大書されている。思わず笑ってしまった。腐敗自由? 日本人にはブラックジョークに読めてしまう。

AIDSなどの感染症対策向け巡回診療車

AIDSなどの感染症対策向け巡回診療車

ケニアビジネスパーソン、特に男性は風貌に似合わずジェントルな人物が多い。例えばナイジェリア人のようなアクの強さは希薄だ。NOと強く拒否されることも少ない。どこか日本人に似た曖昧さがある。しかしこの曖昧さがなかなか曲者で、YESは約束が守られる保証では無い。表情が読み取りにくいので本音が分からず、お互い様かもしれないが、不安に駆られることも多い。
片やケニアにはたくさんの印僑(インド系商人)がいて、産業界に厳然たる影響力を持っている。彼らの押しの強さと威圧感は格別で、ケニア人にはとても歯が立たないだろう。

日本車への信頼が高い理由は悪路を走ればすぐにわかる。

日本車への信頼が高い理由は悪路を走ればすぐにわかる。

国際機関のハードワーカーたち。

国際機関のハードワーカーたち。

どちらを選んだかと言うと、ゆっくり、まったりのナイロビ人。滔々と流れるアフリカ時間に身をゆだねる快感に取りつかれてしまった。
基本的には気の良い連中なので、時間に追われて結論を急いだり、過度な期待をしなければ大きなしくじりをしたり、ひどい痛手を受けたりすることはない。
また幸いな事にケニアでの仕事相手は国際機関や医療施設の人々で、彼らはとてもよく働くし意識も高い。
多くの尊敬すべき人たちにも出会うことができた。