房総半島から徒然ブログ

住みにくい世の中を出来れば笑って暮らしたい、寛容でおヒマなかたのみ歓迎の気まぐれブログです。

跳んでアフリカ

写真を整理しながら、アフリカ大陸で宿泊滞在した国々の記憶を辿ってみた。

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スーダン

この国を商売で訪れる人は多くないと思われる。
輸出が出来たとしても代金回収の方法が限定される社会主義国だ。
人々は一様に長身痩躯で平均身長は180㎝を越えるらしい。

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首都ハルツームの空港にて

渡航当時、アメリカからテロ支援国家に指定されて経済制裁を受けていた。パスポートにビザのスタンプが押されたので、トランプ政権下ではアメリカ入国は勿論のこと、トランジットさえも出来ないと言われた。
首都ハルツームはとにかく熱かった。
ウガンダから流れる白ナイルとエチオピアから流れる青ナイルが合流し、ナイル川はここからエジプトを通って地中海に注ぐ。
乾燥した空気は摂氏40度を優に超え、汗は直ちに蒸発し、不用意にあくびしたら喉が焼ける気がする。クーラーなどない車の窓を閉ざしたほうが涼しいという初めての経験をした。

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どこへ行くのも専属ガイドの車で、趣味の一人歩きが出来ない。もっとも、この暑さでは歩く気にもなれず、他の州に出るには検問所でコネが必要らしく、一人では動きようもない。
しっかりイスラム教の国で、ホントに酒が飲めないのが悩みだった。

ウガンダ

東アフリカ・ビクトリア湖の北に位置する内陸国
エンテベ空港がウガンダ唯一の国際空港でビクトリア湖の北岸にある。同じく北岸の首都カンパラまでは約30km。赤土の道をひたすら走ると、高層ビルの立ち並ぶ人口160万人超の大都市が出現する。

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エンテベ空港で搭乗

その昔、NISSANサファリラリーで活躍していたころ、この首都カンパラもレースの主要地点になっていたはずだ。
道と呼べるものは、そう多くはない。あのラリー車はどのあたりを走ったのだろう。
移動の休憩に立ち寄ったカフェで、赤く染まった靴の土をはらい、ビクトリア湖からの風に吹かれながら、そんな事を考えた。

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ビクトリア湖岸にて

ルワンダブルンジ

随分と前に見て衝撃を受けた「ホテル・ルワンダ」は、1994年に起こったジェノサイドを扱った映画だった。

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ルワンダと隣国ブルンジの両大統領が乗った旅客機がキガリ空港着陸直前に撃墜されたことから、フツ族によるツチ族への大虐殺が始まり、当時のルワンダの人口のおよそ10%から20%にあたる、50万人から100万人が僅か100日間のうちに殺害されたという。正確な犠牲者数が分かっていないというのが過酷な悲劇を際立たせる。
ルワンダの首都キガリにある記念館・ジェノサイドメモリアルは、虐殺現場に眠る無数の人骨の上に建てられた。
千の丘の国と呼ばれるルワンダは、今や夜の一人歩きも出来る安全で美しい国だ。

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市民の足、バイクタクシーで丘の町を巡る。中々にスリリング。

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キガリの町を見下ろす

ルワンダエアーの双発機でキガリを飛び立ち、ブルンジブジュンブラ空港でトランジットしてアジスアベバに戻る。
窓から見下ろす丘の国は穏やかで、地対空ミサイルが飛んでくるなんて想像も出来ない。

ナイジェリア

僕が訪れたアフリカ大陸の8か国で最西端の国だ。
アフリカで人口1億人を超える国は3か国だと思うが、ここもエチオピアとどこか似通った人の活気がある。ただし、エチオピアで感じたウブな印象はここには無い。
最大都市ラゴスでの展示会参加が主な目的だったが、大渋滞と凶暴な運転が当たり前なので、安心安全は専属ドライバーの腕次第となる。

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家電品の販売もアフリカン・ビートに載せて

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展示ブースでは多彩な衣装の人々の質問攻め

帰路の空港で出国手続きを待つ間に、自動小銃を提げて巡回していた兵隊が何人も寄って来ては、財布の中身を見せろと意味の分からない命令をしてくる。
「何故だ?」と聞いても「問答無用」だと。
少額のUSドルしか持っていなかったので不満そうな顔をされたが、多額の現金でも持っていたらどんな難癖をつける気なのか、少し興味が湧いた。

アフリカ。各国それぞれに発展途上の熱気が有って、それは時に自分の子供時代の日本にもあった懐かしい記憶と風景を呼び覚ます。
最後のフロンティアと呼ばれる、人口13億人のアフリカ。
妙に人を惹きつけて止まない、遠くて近い不思議な大陸だ。